園のはじまり・剪定&井戸水停止
2021年、よさ来いワイナリーが始まりました。ほとんど素人の私が妻と一緒にワイン農家として挑戦を始めました。
南国市のぶどう園を居抜き物件の形で借り入れたので、これまで何十年も育ててきた生食用のぶどう園9反がよさ来いワイナリーのぶどう園です。
これまではしっかりとした運営が行われていたようですが、コロナの影響も含めて人手が足りなくなり、2020年は手をかけることがあまりできなくなっていたそうです。
実はこの園はかなり古い施設で、昭和50年ごろからあるそうです。現在のぶどう園とは異なり、支柱はセメントで作られ、道と畑を仕切る垣根も植えられています。
2020年の年末にお話をもらい、急ピッチで話を進めたこの園ですが、最初私にはとても魅力的に映っていました。確かに少し枝が暴れているし、折れている柱は数本あるけど、何とかなりそうだなと。その分、手間はかかるだろうけど、それは仕方ない、と考えていました。大変さを知らないって怖いですね(笑)
1月から作業を開始。まずは何をするにしても枝の剪定が最優先です。どんどん枝を落としていこう、これがよさ来いワイナリーの始まりだ、と始めたのですが、、、、全然終わらない。というのも、枝が伸びすぎており、隣の列や屋根の上まで伸びており、切る以上にそれを引っ張って取り除くのに四苦八苦。長いものでは6m超のものもありました。
また慣れない作業のため、すぐに腱鞘炎気味になり、作業が進まなくなり始めました。そこで安価な中国製の電動式剪定はさみを購入。重いので筋肉痛にはなりますが、腱鞘炎は回避。これでどんどん進めます。2か月で計150時間をかけて、大筋の剪定が終了。
休む間もなく、次は樹皮の粗皮剥きです。ぶどうの木が何年も粗皮が剥かれていないようでした。皮の裏は虫が冬眠したり、菌が繁殖する温床となります。皮むき器でやるところもありますが、数が多いため、高圧洗浄機をレンタルして、作業を開始。高圧でどんどん皮をむいて綺麗になっていく、はずでした。
なんと途中で水が出なくなったのです。高圧洗浄機に供給していた井戸水が急に止まった形です。この水は畑中にパイプが張り巡らされていて園中で使える、という話でした。結果は、これもでません。。。
①パイプが途中で壊れているのでしょう。遠くの蛇口から水がでることはありません。出てもチョロチョロ。
②組み上げポンプの近くでは水は出ます。勢いよく出ます。ただなぜか途中で、水が出なくなってしまいました。そのあとは一日置くと少しでますが、100Lだったり300Lだったりします。水道屋さんにも来てもらいましたが、なにせ使っているポンプが40年ぐらい前のものらしく、サビサビだしよく分からないとのこと。ポンプのメーカーにも来てもらい、見てもらいましたが、「これはもう井戸が枯渇しているとしか考えられない。」とのこと。
最悪です。水が出なければ作業が進みません。もはや皮むきは諦めて、発芽前に必要な防除作業に取り掛かる必要があります。一日100-200Lずつ使うしかないかな、もしくは家で水を汲んできて作業するかという覚悟で作業を急ぎました。水道屋さんやポンプ屋さんに来てもらうだけで1-2週間程度ロスしていますし。
上記の皮剥きと並行で、発芽前の有機系農薬の防除を行っていました。当初は背負い動噴を使っていましたが、これも全然終わらない。この畑は有機農薬だけを使うつもりで、そこまで防除の回数も多くないので背負いで進めるつもりでした。
そこに9反(9000㎡)という広さが立ちはだかります。散布作業自体はいいのですが、背負い動噴の容量が10-15Lのため、都度水を汲んで薬を作り直す作業が増えてしまい、そこがボトルネックに。
そこで通常のタンクに水をためて、そこから噴き出す動噴を急いで購入。さあ、これで2‐3日で終わるはずだ、と思ったら、↑と同様にまさかの水が出ない。焦りに焦りました。
ただ面白いものです。なぜかそのあとは何百L使っても、水は枯渇しませんでした。雨が降ったわけでもないですし、なぜなのかは未だに分かりません。いつまた止まるのか、とドキドキしながらの作業でした。
その後、発芽までにできる限り防除を行い、3月末にぶどうの発芽を迎えました。発芽を見た瞬間には、本当にほっとしました。
<続く>
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