4月-5月:ビニール張りと春一番、最速の梅雨、そして救世主が
4月に入り、芽が出始めたぶどう。そんな芽をニヤニヤと見ながら、次の作業が始まります。
芽が出たぶどうにとって、一番の敵は雨です。まだ出たばかりの芽は弱いため、雨に濡れて菌がつくとすぐに病気にかかってしまいます。
そこで一番やらなければならないことは、雨よけを付けること。ビニールの雨よけをぶどうの上につけてあげることで雨に濡れなくするのです。
この9反あるぶどう園なので、事前にこのビニールを張る距離を測って、全て足してみたところ、「え?4km?えっと、、、、うん、、、やっぱり4kmだな。。。」
そうです。4kmのビニールを張らないといけないのです。妻と2人だけで。通常のビニールが一巻き100mなのでこれをまず40本注文。(これが1本が軽くないので運ぶだけでもしんどいです。)
あとビニールを止める洗濯ばさみ(きゅうりピンチ)が2万個購入!!
数ばかり言ってても圧倒されるだけなので、とりあえず作業に入ります。こういうときに淡々とこなしてくれるうちの妻には本当に助けられました。
ただただ作業が、全然進まない!
4月に入り、高知では温かくなるとともに春一番や風が吹きます。これがビニール張りをトコトン邪魔してきます。張りたい列にビニールをのせている間に、風で隣の列に行ってしまったり、風でビニールがねじれてしまい、元に戻すのに時間がかかったりしました。これまで農家でなかったときは「気持ちいいなぁ」ぐらいにしか思っていませんでしたが、本当に自然はつらい。
あと園が古いため、壊れた針金や番線が飛び出しているので、気を付けてビニールを張らないとそこら中でビニールに穴が空いてしまいます。
これと並行して、多すぎる芽を摘み取る芽かきもやる必要があったため、当初1か月と見積もっていた作業が5月GWを過ぎてもまだ半分程度しか終わっていませんでした。
お世話になっている農家さんにお電話したときに「まあ梅雨までに張り終わればいいから、頑張りや。」と言っていただいてました。そんな励ましに頑張ろうと思っていた矢先。
ニュース「四国は観測史上最速の5/15に梅雨入りしました。」
はあああああぁぁああぁ!!???
やってくれます、自然。なんでもありです。
嘆いていても仕方ない。とりあえずビニール張りと芽かきに加えて、梅雨対策として有機農薬防除を実施するという並行タスクが増えることになりました。
なので、全然終わりません。毎日この3タスクを目まぐるしく実施。
そんな中、私の活動を新聞、TVに取り上げていただき、いろんな方から反響をいただきました。ありがたい声がたくさんあり、また別途行っていたクラウドファンディングも順調に伸びていきました。あの時の皆様からの温かい声は本当に泣きそうになりました。
そんな中、妻と作業を行っていたところ、ある一人の男性が不意に訪ねてきました。
男性「ここはよさ来いワイナリーさんですか?」
私「はい、そうです。」
男性「新聞を見まして、本当に二人でやられてるんですね、こんな広いところ。」
私「ええ、少し作業が遅れ気味なので取り返しているところです。」
男性「あの、ボランティアさせてもらってもいいですか。」
私・妻「え!?」
思いがけない申し出でした。クラウドファンディングの状況も相まって、言葉にできないぐらいの感動を覚え、まだまだ何も成し遂げていないのですが、何かが動き出したような感覚におそわれました。
その後も他にもお手伝いさせてほしいと申出があり、毎日2‐4人で作業を進めていき、何とか6月中旬に完了しました。既に梅雨入りから1か月も過ぎていましたが、大きな病気にもならず何とかぶどうは元気に育っていました。
この後、ぶどうは元気にべレゾンを迎えるのですが。。。
<続く>
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